ちょっと前の記事にも書きましたが、ここSFベイエリアは、動物愛護の精神がとても高く、犬のしつけ、訓練に対する考え方も進歩的です。
全米でも有名で、とても評価の高い、サンフランシスコ市内にある犬の訓練士養成学校(The Academy for Dog Trainers)でも、完全陽性強化トレーニング(服従訓練なし)を奨励しているので、一般的にもそれが当然のような雰囲気があります。
だから、このあたりでチョークチェーンをつけて「NO!」を連発しながら犬をしつけていたら、せいぜい動物虐待と非難されるのが関の山です。(泣)
それが理由かどうかは分かりませんが、たしかにここSFベイエリアのワンコたちは、皆とても天真爛漫でハッピーです。極端に乱暴な犬とか、吠えまくる犬、逆にとてもシャイなワンコはあまり見かけません。
なので、大、中、小、入り交じったドッグランやパークにも比較的安心して連れて行けます。実際、犬同士のトラブルもほとんど見た事がありません。
多くのワンコが、最低限のマナーをわきまえた、とても友好的で良い子ちゃんたちです。
「ま〜♪、きっとこちらの飼い主さんたちは、みんな責任感が強く、毎日コツコツ努力して愛犬をしつけているんでしょうね〜」なんて思います?
いや、アメリカ人に限って(←失礼)それは絶対ありえません(笑)。
とくに、SFベイエリアの人たちは、なぜか知らないけどとても忙しいのです(暇人はあまり居ません)。トレーナーでもない限り、犬の訓練に毎日精を出してる人なんてまずいないでしょう。(←ということは、これを書いてる私はそーとー暇人...泣)。
じゃあ、どうして??
こちらで14年間犬を飼って、色々なワンコや飼い主さんと接し、色々なトレーニングクラスを受けて、そして感じるのは、とにかくこちらのワンコは、小さいときから「むちゃくちゃ」ソーシャリゼーションがされています。つまり家では人間の家族同様に扱われているし、外でもドッグパークに行ったり、保育園で遊んだり、家族と一緒に旅行やハイキングにいったり...。
そうやって、かなり子犬の段階から、たくさんの人や犬と交わることで、自然と多くの「社交マナー」が身に付いていると思います。
これは、コツコツが苦手でも、もともと社交好きでアウトドア派の多いアメリカ人にとっては全く苦痛じゃないですしね(笑)。
「パピートレーニング」見たいなものも、近くの「動物愛護団体」の施設や「公民館」などでいつでも行われてるし、そこでもコマンドうんぬんではなく、まず様々な環境に慣れさせる「ソーシャリゼーション」が基本中の基本です。
ワンコは社会的動物、ソーシャリゼーションなしでは、健全な、バランスの取れたワンコなどありえない!という考え方です。
そして、これを人間の単なる「社交好き」のレベルで考えてはいけません。犬にとって「社交」することは「食べること」と同じくらいの基本的欲求だそうです。つまり、魚にとっての水??
訓練だから、このコは乱暴だから、シャイだから、などと言って、他の犬や人に近寄らせない事は、返ってそのコの欲求不満を募らせるそうです。それが人や犬を見るとガウったり、泣き叫んだり、異常にハイパーになったりする原因だとか...。
ダイエットで「甘いものは食べない」と決めたとします。でもそのうちケーキやおまんじゅうのことばかり考えて、とうとう夢にまで出て来るようになって、最後は爆発してやけ食いした、なんて経験ありませんか?
でも、もし毎日思う存分甘いものを食べられたら、ケーキやおまんじゅうに対する執着心もなくなって、きっと外で見かけても見境無く飛びついたりしないでしょう?
これがここサンフランシスコの「むちゃくちゃソーシャリゼーションのすすめ」の原理です♪
もちろんワンコは非常に訓練能力の高い動物なので、一流のトレーナーに付けば、ダイエットどころか「断食」だって可能かもしれません。 実際、従来の服従式トレーニングはこの「断食」にあたるのかもしれません。
でもそこは「自由な変人の街」サンフランシスコ、そんな「非人道的」な方法、絶対ありえ〜ん! のです。
ちなみに、私はなんでも両極端になるのは嫌なので、罰なしの陽性強化を基本に考えていても、コナーに「NO」の意味くらいは分かって欲しいと思ってます。
ただ、あれもダメ、これもダメの「ダメダメ方式」でコナーを僧侶のようなストイックなワンコにするつもりはありません(←まず無理...汗)。
きっとSFベイエリアの飼い主さんのほとんどがそうだろうし、だから他の犬に対しても理解があり、細かい事でいちいち目くじらを立てる人もいません。
そして、そんなリラックスした雰囲気が、ますますワンコたちをハッピーにしているのだと思います。
やっぱり誰だって、笑顔ではしゃいでる我が子を見るのが、一番幸せですよね♪
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