ホークアイとの前回の診察で、すぐに治療を開始するように言われ、オプションもいくつか提示されていたのですが、結局ずるずると決断ができないまま、もう2ヶ月経ってしまいました。
というのも、その6週間後、再びホークアイに会うことになっていたのですが、クリニックへ行ってみると、なんと休暇中。(とうとう自己最短診察記録を0秒にまで縮めたか...。)困惑した助手が対応に来るのですが、状況をあまり把握してません。結局その日は血液検査をしただけで、ネチネチとイヤミをたくさん言って帰ってきました。後日、その助手から連絡があり「先生はあなたがもうヨーロッパ行きを決めたと思っていたようです」というとんちんかんな答えが返ってきました。
前回ホークアイの提案した治療法の中に、現在ヨーロッパの数カ国(オランダ、スイス、スウェーデン、ドイツ、イギリスなど)でしか行われていない「PRRT」というのがありました。実はこの治療法、JJも前からインターネットとかで調べて情報を集めてしました。たまごっち先生も以前話をしていたことがあります。そして今回はホークアイも、この治療が私にとって一番良いと思っているようです。
PRRT (Peptide Receptor Radionuclide Therapy)
日本語で直訳すれば「ペプチドレセプターを利用した放射性核種治療(?)」。よく分かりませんが、核医学分野の技術だそうで、早い話ががんに核爆弾を落とすようなものらしいです。なんかすごく恐ろしそうなのですが、従来の抗がん剤よりは、ずっと副作用は「マシ」だそうです。
素人の理解なので、かなり単純化してますが、膵内分泌腫瘍がソマトスタチンというホルモンを引き付けやすいという性質を利用して、「核兵器」をソマトスタチンと一緒に血中にIV投与すると、ソマトスタチンがその「核兵器」をがん腫瘍の所まで持っていってくれて、そこに落としてくれるという仕組みだそうです。だから、全身に薬がまわる抗がん剤と違って、がん細胞がメインターゲットになるので副作用も少ないらしいです。Octreoscanという検査があるのですが、その結果、私の腫瘍は特にこのソマトスタチンの集積率が高いらしいので、ホークアイはこの治療が有効ではないかと見ているようです。
(つづく)