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2017/05/23 04:11 |
まこと IN ヨーロッパ ~ スイスで最新がん治療体験 【1】

【スイス・バーゼル市】
ライン河沿いの美しい街並みがすっかり気に入ってしまいました

 
まず始めに...大仰なタイトルを付けてしまい恐縮です...(汗)。結構本人は楽しんで自己満足してるので、どうか大目に見てくださね~。

ヨーロッパの放射性核種治療

いつもここに来てくださる方はすでにご存知のように、私は先週スイスのバーゼル市にあるバーゼル大学病院で膵内分泌腫瘍の「放射性核種治療」を受けてまいりました。いまのところ、ヨーロッパの数カ国(スイス、ドイツ、オランダ、スウェーデンなど)でしか行われていないので、多分聞きなれない治療法だと思いますが、従来の抗がん剤治療と放射線治療を掛け合わせたようなのものだと私は思います。つまり、薬を体内に投与すると言う意味では抗がん剤に近いのですが、放射性物質の細胞破壊効果を利用し、がん細胞をメインターゲットにしているところは放射線治療に似ています。

もう少し詳しく言いますと「がん細胞に集積する性質を持つ物質」と「細胞破壊効果のある放射性物質」をあわせてつくった薬品を体内に投与することで、放射性物質が自然とがん細胞のところへ集積され、がん細胞とその周辺の細胞に浸透し、それを破壊し始める(少なくとも理論的には)という治療法です。この放射性核種治療 (Radionuclide Therapy) は今いろいろなガンの分野で研究されているようですが、私が受けたのは内分泌腫瘍に集積しやすい「Peptide DOTATOC」という物質とベータ(β)線放出核種の「Yttrium-90(Y-90)」を使った「Peptide Receptor Radionuclide Therapy(PRRT)」というものでした。

ちなみにこのPRRTは「Y-90」ではなく、ちょっと弱めの放射性核種「LU-177」を使う場合もある(オランダなどでは)そうです。私は腎臓が一つしかないので、ドイツに問い合わせたときは「LU-177」を使うといわれたのですが、スイスからは「Y-90」を使っても大丈夫だといわれました。私の腫瘍はかなりでかいので、少しでも強力な方がいいかと思って「Y-90」の治療を受けることにしました。また、基本的にLU-177を用いた場合は2カ月おきに4回の投与が必要なのですが、Y-90の場合は2回の投与でとりあえず1回の治療が終わるようです。


「でも、なんでわざわざヨーロッパまで行ってこんな恐ろしそうな治療を...?」

と思われる方がいらっしゃるかもしれません。そんな方のために、私のこの治療に至る経緯を下にまとめてみました。まあ早い話が、国内(アメリカ)では現代医学のがん治療でやれることはほぼやりつくしてしまい、後があまり残ってないということと、全身に毒がまわる抗がん剤のような苦しい副作用がほとんどない「おいしい治療(?)」だということを聞いて「もう私にぴったりの治療はこれしかない!」と思ったことでしょうか...。

スイス治療に至る背景

2006年11月、私は「悪性膵内分泌腫瘍」という非常に稀ながんを患っていることが分かりました。その時はすでに、膵臓の原発腫瘍はグレープフルーツ大の大きさ、そして肝臓にある複数の転移は最大直径5センチと、かなり進行した状態でした。抗がん剤治療を始め、かろうじて腫瘍の成長を抑えていましたが、私の健康状態は急降下していました。その抗がん剤治療もすぐに肺血栓、下顎骨壊死などの危険な副作用が現れ、中止せざるを得なくなりました。

後が無くなってしまった私は、2007年8月、最後の望みをかけて、危険で大規模な「腫瘍減量手術」を受けました。手術はどうにか成功し、一命を取り留めました。この手術で、膵臓の2/3、肝臓の1/2を切り取り、原発腫瘍のほとんどと肝転移の一部を取り除きました。そして腫瘍に侵されていた周辺の臓器(左腎臓、脾臓、胆嚢、左結腸の1部)なども同時に摘出しました。しかし、肝臓の一番大きな腫瘍(5センチ)とミリ程度のもののいくつかは、位置的に切除不能ということで残されました。

手術から回復するまでの苦しみは想像を絶するものでした。まだほとんど動けず、傷口も癒えないうちに、今度は肝膿瘍と腸閉塞を起こして再々入院。このころ私の体は骨と皮のようにやせ細り、傷口の痛み、次々に襲ってくる術後の合併症、そして大量の処方薬の副作用に耐え切れず「もうこのまま死んでしまいたい」と願う日々が続きました。これがトラウマになって、これからほぼ1年間、肝心のがん治療を再開することができなくなりました。

しかし今年に入ると急速に食欲が増し、体重も増え始め、まさに奇跡的と思えるくらいに体は回復し、ほぼ普通の生活が送れるようになりました。しかし、この間ほっといておいた肝臓の腫瘍はまた大きくなり始め、5月末のCTでは9センチ近くにまで増大していました。

そして、次の治療法として主治医からすすめられたのがこの「PRRT」でした。日本やアメリカでは未承認ですが、ヨーロッパでは10年以上に渡って行われている内分泌腫瘍(カルチノイドを含む)治療のスタンダードです。以前から同病のサポートグループなどを通して、話は聞いていましたが、今年になって、アメリカの医療誌にこの治療の臨床データが取り上げられてからは、もっと多くの医師が注目するようになったようです。

私の主治医も、以前は情報が少なく懐疑的だったようですが、彼の患者の一人がドイツでこの治療を受け、かなりいい結果を出したこともあって、腫瘍のタイプも性質も似ている私にも、この治療を勧めるようになったというわけです。私自身も、ドイツとスイスでこの治療を受けたアメリカ人の患者さん2人と直接話をして、手術や抗がん剤よりも、精神的、体力的に負担が少ないということを納得させられ、受けてみる決心をしました。

次回はバーゼルでの治療実践編です...お楽しみに!
 



「ママ、いったい何の話してんだかわかんな~い」

「ごめんね、チビ、とても大事なお話なのよ~」



「つまんないの~」

...

 
んっ? さてはまた悪ふざけをかんがえてるな...

 

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2008/09/24 05:40 | Comments(4) | TrackBack(0) | スイス放射性核種治療 (PRRT)

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コメント

本当に希少な治療なんだね(驚)
だけど、この数少ない情報の中で手に入れた治療やってみた価値は有ったよ(^^
遠くの知らない所で良く頑張りました!少しでも癌細胞が死滅すれば結果OK!
良い方向に向かいます様に(祈願)

所でとても綺麗な橋だわぁ~♪
日本とは全く橋のイメージが違う。やっぱり所変わればだね(^0^)
チビちゃんにはやっぱり難しい話過ぎる(私と同じだわ)汗
ムフフ・・・今日は何悪さするんかな~ある意味楽しみざんすw

posted by サンフラワー URL at 2008/09/24 09:21 [ コメントを修正する ]
サンフラワーさん
今回の治療は全然つらくなくてかえって楽しかった! ほんと行ってよかったな~と思います。ついでにもっとゆっくりしてきたかったんだけど、チビがいるから一目散に帰ってきました。

これからまたチビの世話でいそがしくなる~ぅ。子犬の訓練教室にもつれていかないといけないし。
2008/09/24 23:52
お帰りなさい。。楽しんできましたか?(笑)

前回の手術では生死を彷徨う様な大手術でしたね。 
私も五分五分と言われ手術に臨みましたが、あの手術を経験してからは自分の身体のことについては、ちっとやそっとのコトでは驚かなくなりました。まあお腹の中は随分寂しくなりましたけど・・・

兎に角治療がうまくいって好かったです。

何にもしなくていいからね。
養生してください。

いつも神様にお願いしていますからね。。


posted by おじんが~Z at 2008/09/24 11:05 [ コメントを修正する ]
おじんが~Z さん
楽しんできましたよ~(笑)。治療も全然頑張らなくてよかったし、ほとんど90%くらいは遊び気分でしたね。帰りには空港で放射線探知機まで鳴らしちゃうし...(爆笑)。今まで辛かったんでこのくらい楽しんでもバチは当たらないですよね。

たしかに大手術のあとは人生観もないもかもすっかり変わっちゃいますね。

わたしはお陰でウエストあたりが細くなって結構ラッキーだったかも(笑)。

これからもお互いお気楽でいきましょう。
2008/09/25 00:09
あ、考えてる考えてる!

貴重な情報、知りたい方もたくさんいるでしょうね。
私もどきどきして読んでます。
posted by 橘 URL at 2008/09/25 02:13 [ コメントを修正する ]
橘 さん
最近は食べ物を盗み食いしようとするので、ファミリールームではおちおち食事もできません。お昼なんかはキッチンカウンターで立ち食いしたりしてます(汗)。どんどん大きくなって何にでも届くようになってるのでたいへん!
2008/09/25 05:54
抗がん剤の効果は得られて、副作用は軽減という点だけでも、患者にとっては朗報です。そもそも抗がん剤は毒で、他の細胞にも作用してしまうということはわかっていても、それしかないと言われたら、やらざるを得ないのですものね。

それでも保険適用される抗がん剤が残っているうちはマシで、耐性ができて効かなくなってしまったら、次は自費で輸入して未承認薬を試すかという患者が大勢いる。そうでなければ代替療法に走るか。。。
そういう現実を間近で見てるから、こういう手もあったのかと光明が見えた気がしました。米国や日本でやってないのは残念だけど、「打つ手が全く無い」わけではないと知るだけでも、少し元気になれる人がいるよね、きっと。

まことさんの勇気に感謝!!

posted by アンズ URL at 2008/09/25 11:05 [ コメントを修正する ]
アンズ さん
私はがんになって一度病院を変わりましたが、もし以前の病院に残っていたら、今頃はもし生きていたとしてもきっとホスピスでしょう。そこの医者は私は手術はできないと断定し(ちなみにそいつは内科医でした)、従来の抗がん剤治療もあまり効果はないだろうとほとんどサジを投げてました。他の病院でできる治療や臨床試験とか、まして海外での治療など何も教えてはくれないし、もし知らなかったとしても調べてもくれませんでした。

恐ろしいことに、他の患者さんの話を聞いたりすると、こういう医者がなんと多いことか...。自分のエゴなのか、病院の方針なのか、それとも法的責任を恐れているのか...。初めてがんを告知された人は、ほとんどががんや治療に関する知識はゼロです。せめて「こういう治療もあるそうですよ」とか「こういうのを調べてみれば」くらい教えてもらえないものでしょうか。こっちは命がかかっているというのに...。それなのに「余命はxxxです」なんてことは平然と言って患者を絶望のどん底に突き落とす。

まああくまでもアメリカの話ですが、結局言いたいのは、医師の言うことを鵜呑みにせず、自分でそして家族の人たちが力になってとことん調べることだと思います。私たち(私と主人)にとっては、同病の患者さんからサポートグループやインターネットを通じて得た情報でここまでやってこれたといっても過言ではありません。ですので、私もここで書く記事が他の患者さんの方たちの役に少しでも立てればとても光栄です。
2008/09/25 13:27

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