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2024/04/20 21:31 |
まこと IN ヨーロッパ ~ スイスで最新がん治療体験 【2】

市内を走る路面電車、トラム。「大学病院前~。」


私が治療を受けたバーゼル大学病院は、中世の情緒あふれる旧市街の真ん中に位置し、歩いて5分のところにはライン川も流れています。病院もきっと古い建物だろうと思っていたら、超今風のビルでした(写真下)。
 

月曜日の朝9時、JJ(夫)と私は事前に言われていた通りに、直接4階にある核医学科(Nuclear Medicine)の病棟へ。病院内の案内やサインは全部ドイツ語です。私はドイツ語は全くわからないので、JJの高校時代のドイツ語のクラスで得た限られた知識と、あとはあてずっぽうで無事病棟の入り口に到着です。
 

核医学科病棟は横開きのドア(写真上)に仕切られていて、関係者、患者、その家族以外は立ち入り禁止。呼び鈴をならすと看護師さんがやってきてドアを開けてくれました。すぐに病室に通されて、病棟の使い方の説明や、食事のメニューの選択、今後のスケジュールなどを渡されます。

ちなみに看護師さんや医師たちはみんな英語をしゃべってくれるので、ドイツ語は全く分からなくても大丈夫です。

3日間の治療スケジュールはほんとに楽で簡単でした。ちなみにこんな感じ...。
 
月曜日
10時 医師の説明、血液検査、アミノ酸投与開始
11時 薬物(DOTATOC-Y-90)の投与
14時 腎臓のスキャン 
16時 医師の回診
 
火曜日
11時 全身、胴体部、および腎臓のスキャン
16時 医師の回診

水曜日
9時 胴体部スキャン
11時 医師の最終報告のあと退院
 
ほんとにこれだけ...。それもきちんと時間通りに、待ち時間もなく行われました(さすがスイス)。あとは食べて飲んで、遊んで(おしゃべり、読書、テレビ、散歩など)、そして寝るだけ。


 
病室内もチリひとつ落ちてなくピカピカ。実は病院に限らず、街中どこへいってもそういう印象を受けました。これまたさすがスイス。ヨーロッパ一の清潔な国です。
 
内装はブルーと薄い黄色の壁でちょっとおしゃれ(IKEAちっく?)。最初の2日は体内放射能が強いため、ここから出られませんでした。2日目の夕方は外出を許可されましたが、トイレやシャワーを外で使うことは禁止されました。
 

ちなみにこの病棟の患者用トイレやシャワーの排水は3ヶ月間特別な場所に貯められて、放射能反応が消えてから捨てられるそうです。
 

病室から見える景色。病院の中庭です。

 写真でお見せできないのが残念ですが、初日の放射性薬物の投与は、時間をかけて点滴で行われるのかと思ってたのですが、実際はたった一本の注射を血管に注入するだけでした。それも小指の先程度の微量です。ゆっくりゆっくり注入されるのですが、それでも20秒程度で終わっちゃいました。へっ、これだけ? このためだけに何千マイルも超えてスイスまでやってきたのか...なんて思いましたけど。

注射は病院の地下室にある、これも隔離された治療室で行われました。放射性薬物の入った注射器は金庫のような頑丈な入れ物から取り出されましたが、最初でてきた時は、直径10センチくらいの水晶の塊のように見えました。よく見るとその水晶のような透明なガラス(だと思う)の塊の中に注射器が埋め込まれていて、針が先についているような形でした。


 
この注射の前後に合わせて、アミノ酸(写真上)の点滴を行います。これは、体内の余分な放射性物質が腎臓を通して体外に排出する過程での、腎臓へのダメージを防ぐためだそうです。(アミノ酸がどういった効果があるのかよく分かりませんが...。)
 
あと、腎臓のほかに放射性物質のダメージを受けやすいのが「骨髄」だそうで、この治療の数週間後に血球の数が著しく減る可能性があるそうですが、一時的なもののようです。
 

同室で同じ治療を受けた、アメリカ、ミネソタ州から来たサラさん(とそのご主人)。3人いるお子さんの1人は私と同い年だそうです。とっても親切で素敵なご夫婦で、3日間の軟禁(?)期間中も一緒にとても楽しく過ごせました。サラさんは60代半ば(カルチノイド腫瘍、背骨、甲状腺転移)ですが、私と同じく殆ど副作用もなく、とっても元気でした。

彼女のほかにもパキスタンからきた男性とイスラエルからきた女性の患者さんに会いました。2人とも50代くらいの方です。イスラエルの女性は「LU-177」を3回やって肝転移の90%が消え、今回の「Y-90」で残りの1個をやっつけたいと言ってました。こういういい結果のでている患者さんの話を聞くと、希望が沸いてきます。


余裕のピースサイン(?)

写真に移るときのこの癖、どこに住んでても治らないみたいです...(汗)

先日も書きましたように、医師はスキャンで見る限り、薬剤がしっかりがん細胞にくっついているので、いい結果が期待できると言ってくれました。11月の末にまたスイスに戻り、2回目の投与(できれば最後になって欲しい)をする予定です。最終的な結果は2回目の投与から2~3ヶ月後に分かるそうです。

※この治療に関して、もっと詳しく知りたい方がいらっしゃったら、ぜひ makotoinsf@yahoo.co.jp まで直接ご連絡ください。非公開コメント機能が働かないようなので、コメントはすべて公開されてしまいます。

次回は「番外編」です。


今日は記事を書くのにすっかり夢中になってました。ふと気がつくと...



いつの間にかソファの上にチビダルが...。

先代ダルには好き放題させてた私ですが、病気のこともあって、可哀そうだけどチビダルには「ソファ及びベッドの上禁止令」を出しているのであります...。
 
「こらっ、降りるのだ!」



「気持ちいいも~ん」

...



しっ、しかたない...



「くるくるドライヤーだぞ~!」


 
最近は音を出さなくても、見せただけで効果てきめん。

ちなみにこのくるくるドライヤー、数年前に日本に帰ったとき、地元の福岡ダイエー(当時)ホークスのリーグ優勝セールで890円(王監督の背番号にちなんで)でした。変圧器も使わずに使ってるのですが、未だにちゃんと動いてます。ここ10年くらいで、一番すばらしい買い物じゃないかと思っちゃうくらいです...(!?)。


厳しいママでごめんね。はいオヤツ...(汗)。

 

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2008/09/26 05:57 | Comments(6) | TrackBack() | スイス放射性核種治療 (PRRT)

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コメント

ほぉ~!こんなに簡単(?)な治療の第一回目だったのね(^^v
まことさんにはちょっと肩透かしだったみたいでぇ~残念(笑)
だけど効果は抜群みたいだね。
他の方の効果が実際聞けたのが余計にやって良かった!
って実感出来たね~♪(ホッ!)掴みどころが無かったのが当然だもんね。
まだ先はちょっと時間掛かるけどチビちゃんのお尻追いかけてたらすぐだよね(^0^)

今度の子育ては厳しいのね(^^;だけどその環境に慣れさせる事も賢いチビダルには
ちょちょいのチョイっすよ~(^^v
(子育てに使える道具も所変わればってかぁ~爆笑)

posted by サンフラワー URL at 2008/09/26 08:12 [ コメントを修正する ]
サンフラワーさん
そうなんですよ~。心を鬼にしてる鬼ママです。先代ダルが病気ばっかりしてたのもあって、今回は食事もナチュラルドッグフードとドッグビスケット、野菜、果物類のみと厳しいのです...。チビにはちょっと可哀想だけど、スパーキーの二の舞になって欲しくないので...。

他にもしつけのこととか考えることがいっぱい。子育ては大変だ~。
2008/09/27 11:32
ああ、、うちでソファに座ってたからじゃないかしら、、、。
ごめんね。

まだ世界的に認められていなくても、ちゃんと効果が期待できる治療について日本語で教えてもらえるのは嬉しいでしょうね。
これはすごいことです。


posted by 橘 URL at 2008/09/26 13:56 [ コメントを修正する ]
橘さん
そちらのソファーに座ってたことはぜんぜん関係ないですよ~。誤解させてごめんなさい...。以前はいつも飛びのってたんだけど、最近はこそっと上がって気付かれないようにするの...。いけないことだと分かっててやってるんだからたち悪い。

来週から、PUPPY PRESCHOOL がはじまるので、しっかりしつけなきゃ...。
2008/09/27 11:41
ホントに素晴らしい施設ですね~。
日本から見るとアメリカは癌(医療)先進国、
更にヨーロッパの方が進んでいるとは恥ずか
しながら存じませんでした。
(もちろん分野によると思いますが)

うちの主治医は町の総合病院・・大丈夫なの
かしら?なんてつい思ってしまいます(笑)
でもいくら名医でも遠方へはなかなか通い
きれないと思うのです@体力的に
抗がん剤の投与、日帰りですからね~。
外科的にはかなり良い腕だと思うのですが、
アメリカなどのチーム医療と違って、日本の
ほとんどの場合がずーっと主治医は「外科」
ですからね、はぁ~。
でも納得いくまで先生とお話をしながら頑張
っていこうと思っています。

ちびだるちゃん、えらいなぁ・・。
うちは家中犬小屋状態なんです(爆)
posted by ギグルママ URL at 2008/09/26 15:16 [ コメントを修正する ]
ギグルママ さん
アメリカは確かに抗がん剤の種類は日本より多いかもしれませんけど、医療ケアは自体はかなり杜撰だと思いますね。日本のほうが細かい配慮が行き届いていると思います。優秀な外科医もやはり日本でしょうね。大ざっぱなアメリカ人は手先の器用な日本人の職人技にはかなわないと思います(笑)。スイスに行ったときはそういう面では日本的なところを感じましたね~。私もここにいて大丈夫なのかしら、と思いますよ。いざとなったら日本にかえるでしょうね。
2008/09/27 12:16
びっくり!!
ポートでも埋め込んで入れるのかなあと思ってたのよ。すごい簡単なのねえ。
骨髄抑制が起こるのは抗がん剤と同じかな。

パキスタンとイスラエルからも患者が来てるという事実にも、驚かされるね。
パキスタンににこの治療を薦めてくれる医師がいるのかとか、4回も来れるイスラエルの女性ってどういう人だろうかとか、みんな壮大なドラマがありそうですね。
posted by アンズ URL at 2008/09/26 23:40 [ コメントを修正する ]
アンズさん
イスラエルの女性はこの治療法をかなり崇拝しているようでしたね。まあ、無数にあった肝転移がほとんど消えたのですから...これはかなり羨ましい...。パキスタン人の男性は2ヶ月前に1回目の投与を受けて、今回が2回目だそうです。体調はよさそうでしたね。

私は帰ってきてから風邪のような症状がでて、(多分風邪だと思うんですが)今ちょっと疲れ気味ですが、来週から仕事にもどる予定です。
2008/09/27 12:30
こんにちは。ちょっと見なかった間にちびだるちゃんが「若さま」だるちゃんって感じに成長していて驚きました。

スイスでの治療がうまくいっているようでよかったですね!最新治療についてのとても貴重な体験レポート、おつかれさまでした。
posted by びーばー at 2008/09/27 01:50 [ コメントを修正する ]
びーばーさん
また来てくださってありがとうございます。

「若さま」だなんて...まあ本人(犬?)はそう思ってるかもしれないけど...(汗)。たしかに毎日のように大きくなっているような気がしますね~。何にでも届くようになったので、いたずらの幅が広がって困ってます...(笑)。

ナイキのビーバーちゃんたちは元気ですか?
2008/09/27 12:36
チビダルちゃん、大きくなりましたね!
うー、ちらっと見えるピンクの肉球がたまりません。
まだ柔らかくてプニュって感じでしょうか?
つぶは真っ黒なんですよー。

チビダルちゃん、11月末のまことさんの2度目のスイス行きの頃はもっとたくましく成長してるんでしょうね。
posted by まっちゃん URL at 2008/09/27 02:06 [ コメントを修正する ]
まっちゃんさん
まだピンクで柔らかいですよ(笑)。チビは確かに白いところが多いんで...とくに爪が4本足全部白いのはラッキーでしたね。どこまで切っていいのか分かりやすいし(笑)。

あと口のなかにも斑点ありませんか?ほんとダルっておもしろいワンちゃんですよね~。
2008/09/27 12:44

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